OC(低用量ピル)と聞くと皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
「飲んだら太るのでは?」「副作用がこわい?」などマイナスイメージが最初に浮かぶ方も多いかと思われます。
でもそのイメージはOCが世界に登場した1960年頃のホルモン量が多かったピルのものがほとんどです。
現在OCは世界で一億人以上をサポートしており、女性のQOL向上に大きく貢献していると言われております。
妊娠をすることは女性にしかできないことであり、その時期を決定することは女性の権利です。
OCを活用し、皆様の将来が輝かしいものとなりますように。
OC以外の避妊法では妊娠してしまう可能性が高い事をご存知ですか?
OCは日本で使用できる避妊法の中で最も確実で安全性の高い方法の一つです。OCは確実に内服する事でほぼ100%妊娠を防ぐ事ができます。
そのしくみは
- 排卵を抑制する事
- 子宮の内膜を厚くしないようにするため受精卵の着床を抑制します
- 子宮頚管の粘液を変化させて精子の侵入を抑制します
そして何よりも服用を中止した場合、3ヶ月以内に排卵が復活しますので、望んだ時に妊娠する事が可能となるのです。
OCでも保険適応のものもあります
現在OCは月経困難症(つらい月経痛)の治療薬として保険適応が認められました。子宮内膜症の病巣の進行を抑える事や、病巣が縮小することもあります。また内膜の厚みをすくなくする事で月経時の子宮収縮を軽減し、月経痛の改善に寄与します。アメリカでは月経前緊張症候群にも保険適応となっているように月経前の不調を改善する事に有効です。
さらにニキビの改善や月経量の減少により貧血予防する事ができます。
月経が順調にくるメリット
OCは28日で一周期です。内服する事で毎月の月経が規則正しくなり、月経日を予測する事ができます。また行事や仕事の都合などで月経日を移動したい場合、OCを内服している方は簡単に月経移動が可能です。
飲みわすれが心配・・・
外来診察で初めて処方する場合に多くの患者さんが心配される事の一つが飲み忘れについてです。一日1回、忘れずに服用することで避妊効果が得られるので、毎日の習慣にいれてもらうことで飲み忘れを防げます。
食後や寝る前には歯磨きをするように毎日必ず行う事と一緒に、そして毎日手にするものの傍に置いていただくなどご自身にあった方法を飲み始めから工夫してみてください。
癌になりやすくなるのでは?
最新の報告では乳癌の発症はOCを飲む、飲まないに関係ないというデータが出ております。また子宮体部癌はOCの内服により40%も減少しますし、卵巣癌は70%も減少も減少すると言われております。
今回は低用量ピルについてご説明いたします。
その他大腸がんなど婦人科疾患と関係のないものでも減少する事が言われております。OCを服用する事でむしろ癌のリスクが軽減するメリットを得る事ができるのです。
ほとんどの副作用は短期的なもの
- 吐き気、胸の張りなどのマイナートラブルは通常内服になれると消失する症状です。まずは3ヶ月程度内服してみてください。
そして吐き気止めなども併用する事ができますのでつらい場合にはすぐご相談ください。 - 不正出血 飲み忘れ時、内服初期や体調不良などで時折出血が見られます。1週間以上出血が続く場合には一度診察をうけてください。
診察上問題のない場合には内服を続ける事で多くは改善いたします。 - 血栓症 一番重篤な副作用としては血栓症があります。しかし、OCによる血栓症のリスクは妊娠や出産に比べると何十倍も低いのです。ただ、高血圧がある人や喫煙者、血栓症などの病気を若い時期に発症した家族がいる場合には注意が必要です。
ふくらはぎの痛みやむくみ、手足のしびれ、胸の強い痛み、激しい頭痛などがある場合には内服を中止し必ず病院にご連絡ください。
OCは避妊以外にもたくさんの副効用があります。まずはお気軽にご相談ください。